Project #10
フライパンが地域課題を調理(解決)します!
LINEアンケートで市民のリアルな声を届けたい。

  • ✓住みやすいまちづくりのために。フライパンが “地域課題を調理します”
  • ✓脱!郵送による市民アンケート!「市民の声見える化」プロジェクト
  • ✓『ドッチASHIYA』本格的なデジタルコミュニティの創出へ。LINE登録者、めざせ1千人!

代表の横山さんと、同僚の城戸さん

会社紹介

特定非営利活動法人フライパン(以下、フライパン)は、芦屋市を拠点とし、地域に根差したまちづくり事業に取り組んでいます。
代表の横山 宗助さんは、任意団体として3年間の活動を経たのちに、2022年1月に特定非営利活動法人(NPO法人)として組織化しました。
ユニークで親しみやすい『フライパン』という名に込められた、団体のキャッチフレーズは「地域課題を調理(解決)する」
地元・芦屋市で、今現在 “Now(ナウ)” で起きている地域の課題に対し、市民の皆さんと0から一緒に考え解消していけないだろうかと、当団体の設立に至りました。
子ども食堂やファーマーズマーケット、本や服の交換会、味噌づくり教室など地元市民に寄り添ったコミュニティ作りをはじめ、より良いまちづくりを行うための取り組みに日々チャレンジしています。

本事業のきっかけ

地域活動をしていく中で、芦屋市が行う市民アンケートが有効活用されておらず、まちづくりにおいて市民の声が反映されていないと感じました。
実際、数年に一度実施される市民アンケートは、約9万5千人の市民に対し1千人程度の回答にとどまっています。長い設問は記入が面倒になりがちで正確な回答が得られないことも多いです。
また郵送調査は発送や集計に費用と時間を要するため、リアルな声が反映できません。
そこで、より多くの市民の声を正確に、そしてスピーディに集め、地域課題解決にリアルタイムに反映・活用していくために、民間主導でアンケート業務のDX化を進めていけないかと考え、本事業をスタートしました。

まちの様子を視ながら

本事業の内容

『脱!郵送による市民アンケート!「市民の声見える化」プロジェクト』と名付け、アンケート機能に特化したLINE公式アカウント『ドッチASHIYA』のシステム開発を進めています。

具体的には、
「○○地区に草が生い茂り景観が損なわれています。
【A】ヤギに草を食べてもらう or 【B】清掃業者に依頼する。あなたはドッチ?」

このように、アンケートに対して選択肢から回答を選ぶだけのシンプルな仕組みにしています。誰もが簡単に回答(参加)できることを第一優先に作りました。
普段聞き流してしまうまちの情報も、自身で考え選択をすることで、初めて自分ごとになって認知できるようになります。
まずは、まちのことを「認知すること」そのものが、市民参画のスタートになると考えています。自分が住むまちへ何か協力したいと思ってはいても、市民はどうしたらよいのかわかりません。
また、アンケート用のオリジナルアプリや、システムを導入・開発しても、ほとんどの市民はダウンロードや操作に慣れることへのハードルを越えることができません。
そこで本事業ではアンケートのDX化にあたり、広い世代に浸透し、馴染み深いLINEを活用することにしました。
より多くの意見を反映できるよう、フライパン主催のファーマーズマーケットでのPRや地元企業など、地域と結びつきの強い団体に協力を仰ぎ『ドッチASHIYA』の啓蒙活動に注力しています。

『ドッチASHIYA』のLINE操作画面
フライパン主催・ファーマーズマーケットのチラシ

実証の成果

『ドッチASHIYA』のリリースは2023年2月を予定しています。
LINEのシステム設計は完成し、デザインやアカウントの分析は連携先と協業しています。
また、日頃から親交のある芦屋市の職員に協力頂き、配信内容を一緒に考え、質問の精査をしているところです。
PR用のチラシも完成しました。
カジュアルなイラストで誰にでも手に取ってもらいやすいデザインにしています。
LINEのお友達登録は少しずつ増えてきており、初年度はまず500名、次に1,000名を目指していきたいです。
友達登録を増やす有効な方法はまだまだ模索中ですが、自治会やフリーペーパーの発刊元など地元のインフルエンサーを巻き込み、YouTubeライブやFacebookのPRなどを企画したいと思っています。

『ドッチASHIYA』について説明をする様子
『ドッチASHIYA』のリーフレット

将来のビジョン

『ドッチASHIYA』を本格的なデジタルコミュニティとして確立させ、『ドッチ〇〇』のように他地域へ横展開していきたいと思います。
横展開にあたり、フライパンはノウハウを伝えるアドバイザーに徹し、運営は地域の方に担っていただきます。
なぜなら、地元のキーマンと連携を図り地域ぐるみで進めていくことが、ドッチの登録者を増やし、まちづくりへの近道となるからです。
またドッチの登録が1万人達成できたなら、『Decidim(デシディム)』導入に取り組んでみたいと思います。
『Decidim(デシディム)』は、日本ではまだ浸透していませんが優れた市民参画型デジタルプラットフォームです。
その前段階として、簡単な操作で市民参画ができる『ドッチ』が活躍すると考えています。
IT人材育成の観点からシステムの使い方レクチャーも挑戦してみたいことの一つです。
そのためにも本事業を成功させ、市民一人ひとりが “自分ごと” として積極的に参画できるまちづくりを、この芦屋で続けていきたいと思います。

photo:大亀京助

<会社プロフィール>
特定非営利活動法人フライパン

●住所
〒 659-0095
兵庫県芦屋市東芦屋町17番26-703号

●事業内容
・まちづくり/農山漁村・中山間地域/経済活動の活性化/連絡・助言・援助
・この法人は、市民・行政・企業と連携を図り、市民参画に関する研究・調査・指導事業をデザイン的手法で実施し、まちの課題を自分たちで解決できるコミュニティがあふれる社会を目指して、市民ひとりひとりの生活価値が向上することを目的とする。