Project #09
後継者不足に悩む地方事業者の発掘に向け、Web3時代の新たなコミュニティ形態として注目されるDAOをたちあげる

  • ✓事業承継プラットフォーム「二ホン継業バンク」を通じ、地域の後継者不足の問題にチャレンジ
  • ✓後継者不足に悩む地域事業者の「発掘」を目指し、web3×DAOの発想を活かした新組織発足とIT人材の育成
  • ✓”小さな世界都市”を掲げる地方都市・豊岡から、IT「事業承継を当事者だけではなく地域全体で支援するエコシステム」を世界に向けて発信

同社が広告を手掛けた海床ロボット

会社紹介

ココホレジャパンは、「事業承継に悩む地域の事業者」と「継業・地域での活動に興味のある人」をつなぐ「二ホン継業バンク」という、新たな事業承継プラットフォームを2020年に立ち上げた(2021年グッドデザイン賞受賞)会社の設立は、2011年。
横浜出身の代表取締役の浅井さんは、その年の東日本大震災を機に岡山県に移住を決意。
大手CDショップでの広告・マーケティングの経験を活かし、その地域ならではの魅力的な商品・サービスのプロモーションや商品開発など、地域の活性化に向けたユニークな活動を展開しています。
「二ホン継業バンク」の立ち上げは、ある地域特産品開発事業を自社で取組がきっかけだった。
その事業を地元の事業者に譲ろうとした際、適切な業者が見つからないという問題に直面し、その時、改めて「地域の後継者不足」の構造的な問題に気が付いたという。
多くの地域事業者が廃業の危機にされされている中、「地域性や社会性の高い仕事・文化・技術を未来に残していきたい」という思いのもと、事業を展開しています。

事業の経緯を語る浅井代表
開発を手掛けた”ままチョビ”

本事業のきっかけ

2021年に豊岡市、但馬信用金庫と3者連携により『兵庫県豊岡市継業バンク』を開設、但馬地域での継業支援事業を開始しました。
事業は順調に進みましたが、一方で「まだまだ救いきれていない事業者が多くあるのでは」という思いがありました。
家族経営の場合、親族が継がなければ事業承継をあきらめるケースが多く、また事業規模が小さすぎる場合はM&Aが難しく他の承継手段を知る機会がありません。
行政のアンケート調査も回収率は必ずしも高くなく、突然の廃業・閉店の連絡で事実を知ることも多いです。
「後継者問題で困っている潜在的な事業者の把握」に課題感を感じる中、「Web3」「DAO」の専門家と出会いました。
これらのコンセプト・IT技術を活用し、地域で「事業承継を望む事業者の発掘部隊」を組織化することで、継業問題に一石を投じれるのではないか、との思いを強くし、今回の応募に至りました。

継業バンクのしくみ

本事業の内容

本事業では「後継者問題を抱える事業者」と「残したい仕事」の掘り起こしを目的に、Web3の技術を駆使し、DAOというコンセプトに基づいた新たな組織を発足します。
DAOとは「Decentralized Autonomous Organization」の略称で、日本では「分散型自律組織」と呼ばれ、従来の階層的組織ではなく、管理者がいなくても各自の自律的な行動により事業を行います。
組織の意思決定も決定権のある個人に委ねるのではなく、ブロックチェーンなどWeb3技術を活用したコミュニティの投票により決定されます。
Web3とは次世代インターネットとして注目されており、特定のサーバーを経由しなくても、インターネットが繋がっている端末同士で自由にデータ通信が可能なことから分散型インターネットとも呼ばれています。
実証にあたり、メンバーに向け今回の組織運営に必要となるDAOの基本概念・事例の紹介、NFT(代替不可能なデジタルデータ)の作成に関する研修、但馬信用金庫が主催する「地域クラウド交流会」で参加を呼びかけします。またメンバー活動の対価・意思決定のトークンとして使用するNFTのデザインをDAO内で選定します。
後継者問題を抱える潜在事業者を発掘し『兵庫県豊岡市継業バンク』の活用を促進することで小さなお店の事業や技術、伝統工芸を守りたいと思います。

オンランも活用して専門家と語り合う様子

実証の成果

実証により4つの成果や気付きがありました。
1つ目は但馬信用金庫、豊岡市との連携です。
それぞれの有志をコアメンバーとし組織を立ち上げましたが、地域に密着した金融機関や行政の協力を得られることで市や信金主催のイベントで講演するなど地域の方々へ広く周知できるようになりました。
2つ目は使用するコミュニケーションツール(SNSなど)の問題です。
メンバーそれぞれが普段使用しているSNSが異なるため、DAOの運営をどのSNSで行うかが参加や運営のハードルになりました。
より多くの市民の皆さんに参加していただくには、使い慣れたSNSを活用する必要があると感じました。
3つ目はトークンですが、協議・投票の結果、地元アーティストの方に作品を提供してもらうことになりましたが、アーティストの方自身も「web3が進んで作品を”シェア”するバーチャルな世界でアートの可能性を試してみたい」と新たな可能性を感じてくれています。
4つ目は、3件(和菓子屋、そば屋、食堂)の潜在事業者が発掘できたこと、また交流会を通じ継承事業に取り組みたいという声をいただいたりと潜在ニーズの発掘や参加者周知に繋がったことは大きな成果となりました。

メンバーとの会合の様子
地元アーティストの作品をNFTに

将来のビジョン

近い将来、IT技術を活用し、「事業承継を当事者だけではなく地域全体で支援するエコシステムづくり」を実現していきたいと思います。
現在は「日々、メンバーと楽しみながら試行錯誤を繰り返している段階」ですが、DAOやブロックチェーンなど、新しい考え方を浸透させることやNFTをどう活用していくかなど仕組みづくり、そして使いこなせる人材の育成まで一つ一つ取り組んでいきたいと考えています。
豊岡市は”小さな世界都市”というビジョンを掲げていますが、私たちの今回の「DAOやweb3をといった発想を活用した地域課題解決モデル」というこの世にまだ存在していない斬新な取組を形にし、日本にとどまらず世界に向けて発信していきたいと持っています。

photo:大亀京助

<会社プロフィール>
ココホレジャパン株式会社

●事業内容
・地方創生、SDG s領域の広告、メディアの企画運営
・ニホン継業バンク
 https://keigyo.jp/
・キノマチウェブ
 https://kinomachi.jp/

●HP
https://kkhr.jp/