Project #07
城崎温泉で新たな価値創造を!DXで理想的な顧客体験を実現したい。

  • ✓経営理念は「旅で感動。旅で感謝。」 着地型観光『城崎ぷちたび』が旅の思い出をプロデュース
  • ✓~コウノトリツーリズムを踏まえた環境への負担軽減~
    新技術(電動モビリティーとDX)で“もてなす”新たなそぞろ歩き実証実験
  • ✓城崎の生き残りを懸けて、新たな価値を創出したい

「あー」と叫びながらEV-Bikeで坂を下る『あーの坂』

会社紹介

株式会社たびぞう(以下たびぞう)は、自称スーパー添乗員の大林 大悟さんが兵庫県豊岡市に創業した旅行会社です。
コロナ流行以前は団体旅行をメインに取り扱っていましたが、現在は関西屈指の温泉街・城崎温泉を訪れる観光客向けに『城崎ぷちたび(以下ぷちたび)』の企画・運営に力を入れています。
ぷちたび事業は2020年7月にスタート。
国の特別天然記念物コウノトリや玄武洞、日本海に面する竹野浜など城崎温泉をとりまく恵まれた観光資源を、旅行者自らが電動モビリティを運転し巡る着地型観光コンテンツです。
レンタカーでもガイド付きツアーでもない「自由に旅する」をコンセプトに生まれたぷちたび。これまでに無い新たなビジネスモデルとして、全国の観光地から注目されています。

たびぞうの戦力『EV-TUKTUK』

本事業のきっかけ

コロナ流行前まで観光地のビジネスはBtoBが主流で、旅行サイトや旅行会社など大手のインフラから集客さえできていれば、観光客に地域の魅力を体験・体感してもらうことで事業は成り立っていました。
ところがコロナを機に、観光地の状況は一変しました。BtoBからBtoCに変わったのです。
今まで大手に「おんぶにだっこ」だったマーケティングや集客を自分たちがやらなければならない、ことの重大さを初めて痛感しました。
たびぞうが所有しているEV-Bike(バイク)やEV-TUKTUK(トゥクトゥク)の新技術・電動モビリティをツールとし、城崎温泉全体の新たな価値を創出していきたい。
その想いがきっかけで今回の実証事業に参加しました。

ツアー実施前にご案内をする様子
『城崎ぷちたび』のオリジナルマップとリーフレット

本事業の内容

城崎温泉は「駅は玄関・道は廊下・旅館は客室・外湯は大浴場」と温泉街を一つの旅館に見立てる“共存共栄”の精神で、地域一体でもてなすという風土があり、本事業も城崎温泉全体の新たな価値創造として取り組んでいます。
一つ目は、ぷちたび参加者を対象に、城崎温泉とその周辺をGPS付EV-TUKTUK(以下トゥクトゥク)で周遊してもらうというものです。温泉から15分程で綺麗な日本海が広がり、5分も行けば天然記念物のコウノトリも見られます。温泉だけでない地域の魅力を知ってもらい地域を活性化したい、“城崎ハツ(初/発)”で地域全体を一つにしていきたい。電動モビリティがそれを担ってくれると考えました。またGPSの搭載により位置情報の確認ができると旅行者の安全に繋がり、立ち寄り先などマーケティングデータとしても活用できます。
二つ目は、トゥクトゥクの無料送迎サービスです。城崎温泉は『そぞろ歩き』が有名ですが、高齢者や妊婦さんのような交通弱者に有効な交通手段がなく地域の課題となっていました。そこでトゥクトゥクによる各旅館と温泉街の無料送迎を実施。安全運行に留意し街の歴史やおすすめ情報をガイドしながらゆっくりと進みます。GPSにより運行情報をタイムリーに確認できるので、旅館スタッフも適切なタイミングでご案内が可能です。誰もがそぞろ歩きの楽しさを体感できるよう、日々改善しながら実証中です。回遊性のある街づくりにより、地域全体の顧客満足度や観光消費額UPの効果を見込んでいます。

オフィスのある『城崎温泉旅館協同組合』前にて、事務局長さんと

実証の成果

電動モビリティにGPSを搭載したことで情報が“みえる化”されました。全ての目標を達成できたわけではありませんが、新たな気付きに繋がったことが最大の成果です。
例えば送迎サービス。活用のキーパーソンはお客様ではなく旅館のスタッフさんであることがわかりました。旅行会社で案内するよりGPS情報を見た旅館のスタッフがおもてなしの一環でご案内することで安心感に繋がり利用者が増えました。
ぷちたびでも、お客様の位置情報が把握できることで、これまで緊急時には電話するしかありませんでしたが、今はiPadですぐに確認できるようになり、安全管理の側面からも良い結果が生まれました。またトゥクトゥクが走っている姿を見て、これまで観光客に足を運んでもらえなかった地域の方からも「城崎が町をひとつに繋いでくれた!」と喜びの声を頂いています。

新たな『そぞろ歩き』実証実験の様子

将来のビジョン

今回の実証でDXの第一歩を踏み出すことができました。これからの観光地に必要なことは、アクティビティや飲食店などのソフト面でお客様のニーズと私たちが提供できるサービスを、DXを活用しながらマッチさせる仕組みづくりだと思います。
お客様が旅行前に、観光地に何を求めどんな体験を期待しているのか、お客様ニーズの“みえる化”をDXで実現していきたいです。
そして実際に訪れたときに想像以上の体験をしてもらい、感動できる旅を提供する。そのためにもIT人材の育成や新たな顧客層にリーチするツールの開発も必要であると考えます。
「城崎の生き残りを懸けて、電動モビリティで新たな価値を創出していきたい。」
たびぞうは、さらなる事業開発に取り組んでいきます。

photo:大亀京助

<会社プロフィール>
株式会社たびぞう

●会社
〒 668-0065
兵庫県豊岡市戸牧539-8

●事業内容
・着地型観光商品の企画運営
・観光地支援、講演事業
・団体旅行の手配及び添乗業務

●HP
https://tavizo.jp/puchitabi