Project #05
高齢化率の高い淡路市でアバターによる遠隔健康相談!「アバター×看護師」事業でつくるみんなのウェルビーイング

  • ✓遠隔での接客が可能な”アバターワークサービス”を展開!夢のある新産業を淡路島で興す
  • ✓アバター×看護師人材で地域課題を解決したい!アバターを通じた高齢者の健康相談を実施
  • ✓淡路島から全国へ、アバターワークの活用による高齢者支援、新たな雇用創造による地域課題の解決に挑戦

会社紹介

株式会社パソナHRHUB(エイチアールハブ)は、淡路島でパソナグループ関連会社が運営するレストランやテーマパーク、宿泊施設、BPOセンター等の運営及び管理業務の受託をはじめ、会員サービスの運営や企業本社機能等に関する人事コンサルティングサービスを展開しています。
2021年には「アバターセンター」を開設。現場に人がいなくても遠隔での接客を可能とする”アバターワークサービス”をスタート。
サポートをする現場の人材が必要となるため、人材育成にも取り組んでいます。
夢のある新産業を淡路島で興すことで、その仕事を求めて淡路島へ人の流れを生む。これからも事業創出と雇用創造により地方創生の実現に貢献したいと考えています。

テーマパーク「ニジゲンノモリ」のアバターコンシェルジュの様子
淡路島西海岸アバターコンシェルジュ

本事業のきっかけ

日本の高齢化率は28.8%、淡路市の高齢化率は38.5%と全国平均を大きく上回る高齢化先進地域となっており、一人暮らしの高齢者が多いという地域課題を抱えています。
移動手段も限られるため病院へ行くのも難しい方が少なくありません。
そこでアバターを活用、自宅から健康相談ができる環境があれば安心して一人暮らしができるのではと考えました。
健康相談を行うのは看護師です。看護師は勤務環境が厳しくライフステージの変化に合わせた働き方が難しいことも多く毎年約10万人が現場を離れると言われています。
アバターの技術があれば時間や場所を自由に設定し「続けられる」環境を作ることができます。
こうして「看護師×アバター」事業の応募に至りました。
事業を通じてアバターで繋がるみんなのウェルビーイングを実現できると考えています。

アバターワーク事業の担当者、田中さん

本事業の内容

淡路市在住の60代~90代の高齢者6名を対象に、看護師によるアバターを通じた遠隔での健康相談という実証実験を行いました。
高齢者の方には、一人ひとりにタブレット端末を配布し、操作方法を説明。
住み慣れたご自宅からいつでも気軽に看護師へ相談できるようにするため、使い慣れないタブレット端末への苦手意識をなくし、ハードルが高いと感じることなく操作できるよう、タブレット内の設定をできる限りシンプルにしました。
アバターを操作する看護師の方は本事業で新たに3名採用。もちろんアバターの操作は未経験の方ばかりです。
そのため健康相談を受ける前に、操作方法やアバターの特性について学ぶ研修を用意、ITリテラシーを問わず業務に臨んでいただけるようにしました。
また高齢者とのコミュニケーションにおいては、プライバシー管理の観点から弊社のアバターセンターを利用、専用のパソコンを使って行います。
相談頻度は、高齢者1人につき週に1~2回、1回30分~1時間としました。
事前に作成した健康チェックリストに基づいて健康状態の確認、一人ひとりに合わせた身体の悩み、そして、生活に関するお悩み相談まで多岐にわたって会話をしました。
会話内容は記録を残し、どの看護師が担当しても、同じ対応ができるような仕組みにしています。
その結果、いつでも都合のよい時に利用できる、休みを取りやすいなど、相談する側・される側双方の利便性の良さにも繋がりました。

事業スキーム図
手の動作に合わせて動くアバター

実証の成果

高齢者からは「病院では医師にゆっくり質問ができないが、アバター看護師には長く相談ができて安心」「開始前より元気になった」「今後も継続してお話をしたい」という嬉しいお声をいただいています。
IT面では、初めてタブレットを触る高齢者も多く、システムが起動せず事業運営スタッフが高齢者の自宅まで様子を見に行くこともありました。
しかし、回数を重ねることでタブレットの操作に慣れ、トラブルも高齢者自身で解決できるようになり、「現代の機械を使いこなせるようになった」と自信に繋がった想定外のエピソードもあります。
看護師からは「現場でしか活かせなかった資格がアバターワークを通して役に立つのは嬉しい」「遠隔でも高齢者との関係構築ができた」という声をいただいています。
今回の実証実験から、潜在看護師が資格を活かし在宅でも活躍できる新たな働き方に繋がると感じています。

アバターオペレーションを担当する看護師の様子

将来のビジョン

今後もこの事業を通じて看護師の意見を反映し、アバター活用における高齢者のための新たなサービス、また雇用機会の可能性を探っていきたいと思います。
ここで成功事例を作り、将来は医師や医療機関と連携してより多くの一人暮らしの高齢者を見守り、支援していける体制を整えていきたいと考えています。
今回は淡路市と地域を限定しての実施でしたが、今後は高齢化が進む自治体、地域企業と連携し日本全国で遠隔健康相談のサービスを展開していきたいと思います。
淡路島から全国へ、アバターワークの活用による高齢者支援、新たな雇用創造による地域課題の解決、アバターによるDX化を推進していきたいと考えています。

photo:大亀京助

<会社プロフィール>
株式会社パソナHRHUB

●住所
〒 656-2401
兵庫県淡路市岩屋2942番地26

●事業内容
・レストラン施設、テーマパーク施設、宿泊施設、BPOセンター等の運営及び管理業務の受託
・会員サービスの運営
・本社機能等に関する人事コンサルティング

●HP
https://www.pasona-hrhub.co.jp/