Project #02
若者や外国人の受入先を増やしたい!シェアハウス事業の水平展開で不動産事業者のICT活用を図る

  • ✓コワーキングスペースの運営、シェアハウスの運営で世界中から集う心地よい場所を提供
  • ✓「シェアリングエコノミースクール」の開講を通して不動産事業者へ伴走型支援を実施
  • ✓シェアハウスビジネスを担う仲間を全国に増やし、シェアリングエコノミーの促進へ

会社紹介

株式会社マチアケは、シェアハウスの賃貸、コワーキングスペースの運営、シェアハウスの運営コンサルティングなどを手がける不動産賃貸会社です。
国籍もバックグラウンドも異なる人達との交流で刺激を受けた経験から、そんな出会いを得られるシェアハウスビジネスをスタート、現在10棟を運営し約40名の方が入居しています。
入居者は会社員をはじめ、外国人ダンサーや学生、地方から神戸へ移住を検討するための仮拠点として利用する人など様々なバックグラウンドを持ち、そのうちの約4割が外国人の方です。
世界中から様々なきっかけで集まり、新たな変化のきっかけが生まれることから「人生のきっかけ百貨店」をコンセプトに、どんな人でも心地良く住んでいただける、リーズナブルで個性豊かな魅力あるシェアハウスを運営しています。

入居メンバーの様子
シェアハウスがある長田区の本町筋商店街

本事業のきっかけ

日頃、不動産事業を運営するなかで、「挑戦」に伴い引っ越しの多い若者・外国人の居住受け入れ先が十分に確保されていないことに課題を感じていました。
賃貸物件は借りる時に敷金や礼金など初期費用がかかり、また短期解約違約金など、短期滞在が必要な若者や外国人には入居が難しく、選択肢も限られています。
一方、県内の空き家率は13.4%と5年前より0.4 %上がり、空き家問題は深刻化しています。
そこで空き家をシェアハウスとして活用できればと考えましたが、全国的に過疎地域でシェアハウスを行う場合、魅力的な観光資源があってもその良さを活かせずPRできていないなどの理由から入居率が伸びず、結果シェアビジネスが機能していない状況でした。
そこで自社のICT活用方法やお客様満足度向上施策を県内の不動産事業者に水平展開し、空き家の活用及び事業者育成に繋げたいと考え、応募しました。

きっかけを話す玉井社長

本事業の内容

県内の不動産事業者やシェアハウス事業に魅力を感じる方へ「シェアリングエコノミースクール」を開講、適切な物件選びや資金調達方法、外国人や若者が好む設計・デザイン、ICTを活用した業務効率化や入居者の募集方法などの講座を企画しました。
シェアハウス事業をはじめるにあたっての基本的な内容はもちろん、不動産仲介サービスのような店舗を持つ必要がなくコスト削減の観点からも重要となる「ICT活用」についてお話しました。
シェアビジネスにおいては、問い合わせの8割以上がインターネットやSNSから入り、入居者の募集にあたりシェアハウスの日常や、住人の雰囲気などをSNSで発信することが必要になります。
募集から申し込みまで、やり取りの全てを入居者と直にインターネット上で完結でき、不動産仲介会社への支払いが発生しない仕組みを構築できれば、短期で入居を希望する若者や外国人の受入が可能になります。
また、実際にシェアハウスの開業までサポートできるよう、質問や相談をオンライン、オフライン問わず対応できる体制を構築、開業地域にかかわらず相談できることで事業を始めやすく、また継続しやすい環境を整えました。
その他、空き家問題が深刻な地域において既に成功しているシェアハウスを視察、更なるノウハウと成功事例の収集により、育成プログラムの事業化に向けた取り組みを行いました。

シェアハウス[Sobani Omusubi」の共用スペース
同社のオフィス・コワーキングスペースがあるビル

実証の成果

本講座には、地域の「経営者の会」でシェアハウス事業や空き家対策に関する説明の機会をいただいたことをきっかけに興味をもってくださった淡路島の不動産業者をはじめ、4つの事業者に参加してもらうことができました。
本来の計画では、2日間の合宿形式で合同講座とする予定でしたが、各事業者のニーズに応え、1社ごと個別に実施しました。
参加事業者の事情や悩みを深く理解し、各社に合わせたオリジナルの講座としたことでより有効な支援に繋がることがわかりました。
また、講座ではシェアハウス事業のメリットばかりを伝えるのではなく、失敗例や経営上の注意点も伝えるようにしました。このポイントが参加事業者より好評で、「シェアハウス事業のリアルを知ることができ、参考になった」との声をいただきました。
今後も伴走型の支援により、継続的にフォローを実施していく予定です。

有限会社ハウジング神戸へスクールを開催する様子

将来のビジョン

チャレンジ精神に富む若者や国内外問わず多様な住人が集まるシェアハウスを通じて”相手の幸せを自分のことのように喜べる人が増える世の中”を築いていきたいと思います。
そのためにもシェアハウス事業の水平展開による不動産経営のICT化を促進していきたいです。
土日勤務や対面接客を必須とし店舗運営を行う不動産仲介サービスとは異なり、シェアハウス事業はWEB環境で完結できるビジネスモデルの構築が必要となりますが、在宅勤務・リモート勤務も可能です。
今後は、子育てと両立できる働きやすい事業としてもシェアハウス事業を広め、ともに事業を担う仲間を全国に増やし、シェアリングエコノミーの促進へと繋げていきたいと考えています。

photo:大亀京助

<会社プロフィール>
株式会社マチアケ

●住所
〒 653-0851
神戸市長田区五位ノ池町4丁目9-16

●事業内容
・シェアハウスの管理
・築古不動産物件の再生
・企業再生コンサルティング
・会社員の起業支援

●HP
https://machiake.jp/