Project #02
With コロナにおける動画共有プラットフォームで活躍するクリエイターと連携したデジタルマーケティング人材育成事業
——FunMake

「兵庫県地域IT人材育成事業」参加事業者インタビュー。今回お話を聞いたのは、ソーシャルメディアマーケティング事業を手がける株式会社FunMake代表取締役、市位謙太さんです。

市位さんは、京都大学大学院経営管理教育部(MBA)を修了後、アメリカ留学を機に学生時代にスタートアップ支援のイベント会社を設立し、アメリカ国務省の招聘プログラムに参加するなどの経験を経て、帰国。その後、メーカー勤務や法務事務所の代表を経て2011年から大阪市会議員を2期務めました。勇退後の2018年9月に株式会社FunMakeを設立しました。

現在は、大人が主体的に楽しめるグルメやキャンプ、旅行といったチャンネルや地域活性化につながるチャンネルづくりのサポートに特化して事業を展開しています。

地域の価値を高めることを目指し、個人の発信力を高めるアクセラレーションプログラムやYouTubeなどの最新情報のシェア、行政や企業のタイアップ案件のマネジメントなどサポートの幅を拡げています。

市位さんの官民での豊富な知見と実績をもとに、ソーシャルメディアマーケティング事業を手がける同社が、人々に影響を与え、受け入れられるためのYouTube運用に必要な考え方をレクチャーし人材育成に取り組みました。

 

インフルエンサーの力を、地方創生に活かす

——最初に御社の事業や特徴を教えてください。

市位謙太さん(以下、市位) YouTubeをメインに扱うソーシャルメディアマーケティング事業をしています。1万人から100万人程のフォロワー数を持つYouTuberが約50名在籍しています。弊社はにぎわい創出という点で地方創生にも注力しています。インフルエンサーマーケティングで、YouTuberがいろんな地域に赴き、名産品などを紹介するといったことがイメージしやすいかと思います。

また、ドメスティックプロモーション、つまり行政の取り組みをサポートする事業も行っています。当社所属のYouTuberのなかには、1年半程でフォロワー数10万人を達成するくらいには成長しているクリエイターもいます。なかには、2年で20万人まで増やした方もいます。このノウハウを提供し地域のインフルエンサーを育てるため、月1回といった頻度で、弊社主催のインフルエンサー育成プログラムに参加してもらっています。

フォロワーの作り方や企業として意識すべきチャンネルのポイント投稿の注意点などをレクチャーしたり、時には炎上経験のあるYouTuberを呼んで実体験を講演してもらったりといったことを実施しています。

大阪駅からすぐのグランフロントにあるFunMakeの事務所内にはYouTube配信などで使用する機材やセットがあります。

——ソーシャルメディアを活用して地域の魅力を創出し、人々に現地に足を運んでもらうために御社が大事だと思うことは何でしょうか?

市位 重要なのは地域の魅力を情報発信する仕組みだと考えています。そして誰が情報発信をするのかも大切です。情報発信はコミュニケーションなので、親近感や信頼感を抱くような人間関係を構築することがポイントです。ソーシャルメディアによる情報発信はこうした仕組みづくりが得意です。

先日、京都大学と研究の一環でアンケート調査をしたのですが、首都圏ではスマートな人やきれいな人に対しての関係値が高くなるのに対して、大阪では等身大に近い人に対して親近感を抱く傾向があるといった結果が出ます。ソーシャルメディア・マーケティングをする上で地域性が出るということなんです。

弊社は京都大学と産学連携をしており、大学内に支社があります。そこでは、ヒト・モノ・カネを呼び込むために効果的なソーシャルメディア・マーケティングとはなにかについて研究もしています。きれいな動画を制作するのか、インフルエンサーを起用した内容にするのか、起用したらどのようなインフルエンサーが効果的なのか、といったアンケート調査を実施して研究をしています。

例えば、兵庫県が首都圏から人を呼び込みたいとなった場合に起用するインフルエンサーはどんな方が適しているのか、首都圏の人たちにはどんな動画だと訪問意向が向上するのか、といった研究データを活かせると思います。