写真から始まる、地域と人の交流。一般女性たちが切り取る世界から、まちの魅力を再発見する
まちの人が、ヨソ者たちのSNSから学ぶ
——西脇市はこれまでも地域の魅力を届けてきました。それでも今回のIT人材育成事業を通して、情報発信の取り組みをした背景にはどのような考えがあったのでしょうか?
田中 西脇市は播州織が広く知られるまちですが、さまざまな方と触れ合う中で魅力が伝えきれていないという以前に、一番の課題は住人たちが魅力をあまり認識できていないことだと感じました。価値がないと思うところにこそ魅力があると気づいて欲しいと思い、「カメラガールズ」はきっとそのきっかけをつくれると思ったのでプロジェクトにしました。
——本事業の最後に「カメラガールズから西脇市の皆様へ。」と書かれた冊子を制作し、プロジェクトに関わった方たちに渡したところ大きな反響があったようですね。
田中 嬉しいですね。関係者だけではなく配布範囲を市内で拡げようという話も出ています。西脇市の方たちが「西脇にもいいところがある」と感じて、発信そのものに興味を持ってもらいたいという思いで、誰にでも配布できる冊子の形にして制作しました。
田中 カメラガールズの視点、つまり外の女性から見た西脇市の魅力が伝わる内容の構成にしました。撮影ツアーをした際に出された意見や旅に関するアンケート調査結果、「インスタグラムを効果的に使うワザ」といったSNS発信のノウハウなどを盛り込んでいます。
西脇市は写真映えするまちであり、SNSを通じて地域の魅力を届けられるポテンシャルのあるまちだということを伝えたかったし、市民たちの情報発信の一歩を後押しできたらと思っています。
——発信ひとつも、まちの中にいる人と外の人では視点が異なることをSNS発信を通して知る機会になったのですね。
田中 そうですね。地域側がいいと思っていることと、地域の外の人たちがいいと思うものが乖離している場合があります。西脇市は「日本のへそ」としてPRしてきましたが、カメラガールズたちのほとんどは知りませんでした。だからこそ、『カメラガールズ』のように一般女性たちが切り取る写真や情報はまちの未来にとって大切な材料になると思います。
観光において、写真は情報発信の核になってくる部分だと思っています。今回のプロジェクトを通して、若者たちがどんなところに行きたがっているのか、どんなところを魅力に思うのかを明確にできる時間になっていたら嬉しいです。
▼プロジェクト内容
https://www.camera-girls.net/event/nishiwaki_niime/
▼レポート
https://www.camera-girls.net/featured/nishiwaki2021_repo/