自然豊かな佐用町を拠点にする人を増やしたい! 「デジタルものづくり」で広めるDXの楽しさとは
パソコン上のものが触れられる形になるというおもしろさを体験
——2月に町内で参加者を募って、「デジタルものづくり体験会」を開催されたとのことですが、実際に参加者からの反響はいかがですか?
慎哉 体験会に参加して下さった方たちは、ご自分でハムスターの家を作ったりなど趣味でものづくりをしている方もいれば、仕事の延長線で業務に活かしたいと参加された方などさまざまでした。
窯で焼いたおいしいピザを用意していたのですが、皆さんCNCのマシンに没頭してなかなか食べに来てくれない(笑)。思わず「冷めてまうやん!(笑)」って突っ込んでしまうほど没頭してくださって、本当に嬉しかったですね。パソコンで打ったことが手で触れられる形になるというおもしろさを、実際に体験してもらえてよかったなと思います。
悠一 参加した方からは、「⼿作業では難しい複雑な模様の注⽂も受けられそう」「今までレーザー加⼯機は使ってきたけれど、CNCはレーザー加⼯機とは規模感がまったく違い、⼤きな可能性を感じた」「次は道の駅 千種へ設置予定の顔出しパネルを制作したい」など、これからの制作に具体的に取り入れられそうだと好評でした。
——なかなかITに触れる機会がない人にとって「デジタル」と聞くだけで、ハードルが高くなるのではないかと思います。「デジタルものづくり体験会」を開催する上での工夫はありましたか? また、今回のプロジェクトを通して得た成果、効果はどういったものがあげられますか。
慎哉 田舎町なので、やはり新しいことへの警戒心というのは少なからずありましたね。そのため、気軽に来てもらえるように、また参加者同士の会話が弾むようにピザパーティという形にしました。会話をしてコミュニケーションをとることで、ITの知識に自信がなくても、こういうプロがいる場に足を運んでもらって実際に触れていただくと、意外と使えるもんなんだなと感じていただけたようです。
ピザを食べながら日常から少し離れた、ゆったりとした時間を過ごしてもらい、ものをつくることの喜び、新しい技術との出会いなど、ポジティブに感じていただいたのではないかと。それくらい、うまいピザだったんですよ(笑)。
私自身がものづくりをする者なので、アナログの良さは知っているつもりです。参加していただいた方には、最新のIT技術に触れてその利便性とおもしろさを体験いただけたことにより、アナログの良さは残しながら、「こういうところはDX化できるな」とイメージを持っていただけたのではないでしょうか。