——回を重ねるごとに、参加してくれた人たちの変化などは感じましたか?

坂牧 正直なところ、最初は人によって取り組む姿勢に“温度差”があることに戸惑うことがありました。幅広い層に向けて開講した分、人によって講座に求めるものが大きく違ったんです。ある人は起業に向けての第一歩にしたいという熱意を持っていらしたり、ある人は人見知りを克服したくていろんな属性の人が集まる場所に一歩踏み入れてみたり。必ずしも同じ歩幅ではないメンバーに、どうコミットしてもらえばいいのか、その温度感の調整が難しかったんです。

でも、全然人と会話ができなかった高校生が、「自分は人とうまく話せなくて」と自己開示してくれるようになり、最後まで続けて来てくれた。一緒に参加していたその子のお友だちが、「彼はきっと途中で来なくなるだろうと思ってたけど、毎回参加してるから、楽しんでると思う」と言ってくれて、これもまた、大きな成長なのかなと感じました。

“火起屋”こと戦略人事・総務本部の坂牧 真さん

五十嵐清美さん(以下、五十嵐) 講座の開催期間中に誠吾さんの誕生日があったんですが、参加者の皆さんが話し合って、サプライズを企画したんです。冒頭の田邊くんは、初めて自分で酒屋さんに行って、私たちが大切にしている「忠恕」という言葉の入ったラベルをつくってもらい、そのラベルを貼ったお酒をプレゼントしていました。

「誠吾さんを喜ばせたい」という思いから始まって、自分たちで考えたことがどうしたらカタチにできるのかを考え、計画的に準備し、実現させる。これこそがこの講座の大きな成果が見えた瞬間だったと思いましたし、参加者の皆さんの成長を感じて、嬉しかったですね。

メンバーが企画した誕生日サプライズの様子。